「人は感情で物を買う」は本当なのか

人は感情で物を買うのか?

『人は感情で物を買うかどうかを判断する。

なので、ものを売るコピーを書く際は読み手の感情を掻き立てるような書き方をするべきだ。』

このような事はコピーライティングを学んだ人なら聞いた事があるでしょうし、

良書と呼ばれる様々な教材にも似たような事が書かれています。

しかし、感情を掻き立てようとして胡散くさく思われて、失敗しているレターも多く見られます。

この主張は正しいのか?そして、正しい感情の掻き立て方はどういったものなのか?

今回はこれらについてを考察していきたいと思います。

「人は感情で物を買う」の考察

結論から言うと、私は「人は感情で物を買う」という事は正しくはないと思っています。

正確に言えば「感情で買う事もある」くらいに考えています。

それを解説するために、まず人が商品を購入する際の思考のプロセスを考えてみてください。

商品を知り、

商品に関心を持ち、

商品の価値に納得し、

商品の価値を自分の状況と連想し、

商品を買う

これがいわゆるAIDMAの法則と呼ばれる購入者の思考プロセスです。

(AIDMAの法則については過去の記事に詳しく書いてありますので参考にしてみてください。

過去の記事⇒覚えておくと得をするAIDMAの法則

この法則を簡単にまとめると、

お客さんは商品の存在を知った後、その商品が自分にとって価値のあるものかを判断し、購入する

という事になります。

この中のどこに感情が入り込んでくるのかと言えば、

商品の存在を知るときのみです。

このお客さんと商品のファーストコンタクトの際に、「知りたい」と思わせる事が出来なければ、

商品について詳しく知られる事なく、そして購入される可能性もなくなってしまうわけです。

なので、セールスレターで言えばヘッドコピーやキャッチコピーと呼ばれる部分に関しては

商品の存在を大々的に知らしめていく役割があるわけですから

読み手に「読みたい」と思わせるように、感情を掻き立てていくべきだと思います。

次に考えるのは、商品の価値を判断してもらう段階。

この段階については、読み手に商品の詳細をしっかりと知ってもらい

判断を下してもらう必要があるため、ほとんど理論的な”説得”が有効です。

下手に読み手の感情を煽ろうとすると、重要な内容が頭に入って来ず

判断をしてもらえない可能性が出てきます。

ただ、商品の説明ばかりをダラダラと並べられても飽きられてしまう場合があるため

ところどころで続きを読ませる工夫として、読み手の感情を引き立てていくという事は良いかと思います。

それについても感情を引き立てるのは、パフォーマンスとして

あくまで理論的な説得をメインとして書いていくのが良いでしょう。

そして最後、商品を購入してもらう段階。

よく「最後の最後、お客さんが購入するときも感情を掻き立てるべきだ」という主張を見かけますが、

お金についてはシビアに考える人も多いため、感情だけで「買おう」と決めるわけではないようです。

購入の段階で強烈に感情を煽るという事は効果的ではありますが

普段から感情に振り回されている人をターゲットにする場合、

商品が読み手の深刻な悩みを解決する場合、

などに留めておいた方が無難です。

賢い読み手になると、感情を煽られている事を見破り、購入熱が冷めてしまう事もあります。

逆に、その商品を買うべきでない人まで購入させてしまいクレームが増える、などという事にも繋がりかねません。

まとめ

今回はお客さんの購入プロセスから

「人は感情で物を買う」のか、という事を考察しました。

私の結論は感情よりも、理論的な説得の方が重要という事。

感情は読み手を惹きつける際に最大限の効果を発揮する、というところに至りました。

この結論を実践に当てはめて考えてみると

購入してもらう段階では商品やターゲットの性質を見て

感情に働きかける度合いを考えていった方が良いという事です。

感情より説得を重要視するというスタイルは珍しいと思われるかもしれませんが

そういうスタイルで書かれている有名な教材も存在します。


この商材は、コピーライティングの教材には珍しく

「読み手の感情を煽る」という事は二の次になっています。

大切なのは読み手に情報を提供し、購入するという判断を下してもらう事。

このスタンスを約200ページにわたって貫いています。

また、正しい読み手の感情の引き立て方にまで言及しているため

この教材を学ぶ事が、コピーを身に付ける最短経路であるという事は断言できます。

よければ、セールスレターだけでもお読みください。

(セールスレターでも上で説明したようなスタンスで書かれている事がわかるかと思います)

では、また次回。

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